マークⅡバンという存在
トヨタ・マークⅡシリーズは1968年の初代登場以来、セダンやハードトップを中心に日本のファミリーカー、ビジネスカーの定番として親しまれてきました。その派生モデルとして生まれたのが「マークⅡバン」です。主に商用ユースを前提としたステーションワゴン/ライトバン仕様であり、荷物を積んで使い倒されることを想定された、いわば“働くクルマ”でした。
しかし、時代が流れ、セダンやバンの多くがスクラップにされていく中で、この無骨なスタイルに価値を見出すカーカルチャーの人々が現れます。直線的なボディライン、シンプルで無駄のない外装、そして商用車ならではの質実剛健さ。これらの要素が「カスタムベース車」として注目を浴び、特にローライダー文化との融合により独自の魅力を放つようになりました。
ローライダー文化との出会い
ローライダーは1940~50年代、アメリカ西海岸のチカーノ文化の中から生まれました。クルマの車高を低く構え、ゆっくりとクルージングし、個性を表現するスタイル。ハイドロリクスによる車高の昇降や“ダンス”、キャンディペイントやピンストライプなど派手な装飾が特徴です。
引用元:カーセンサー
ローライダーと言えばシボレー・インパラやモンテカルロなどのアメ車が主役ですが、日本では1990年代から「国産旧車をローライダースタイルに仕立てる」動きが広がりました。その中心にいたのがクラウンやセドリック、そしてマークⅡバンです。商用車ベースのマークⅡバンは、独特の無骨さを保ちながらも、ローライダー的な派手さを取り入れると強烈な存在感を発揮します。
私が大学生2年生の時、トヨタで当時70万円でマークⅡバン(平成2年車)を購入しました。画像のようにノーマル仕様でここからカスタムが始まりました。

ローライダーに魅せられた私はバイトで稼いだお金を改造費に費やし、ローライダースタイルに仕立てるべく改造に着手しました。
当時の写真がない(涙)のでイメージ画像等で当時を振り返りたいと思います。
ローライダー化で使われる主なカスタムパーツ
サスペンション系
RS⭐︎Rのダウンサス
シンプルかつコストパフォーマンスが高い
- ハイドロやエアサスに比べて、導入コストが圧倒的に安い。
- 複雑な配線・配管が不要で、構造的にシンプル。
- 「気軽にシャコタンスタイルを楽しみたい」オーナーに最適。
ローライダー的な「ロースタイル感」を手軽に実現
- ダウンサスでもしっかり車高を落とせば、マークⅡバンのロングボディが一気に迫力アップ。
- フェンダートリムやデイトンホイールと組み合わせると、王道ローライダースタイルに近づく。
メンテナンス性の高さ
- エア漏れ、油圧トラブルといったハイドロやエアサス特有のリスクがない。
- ノーマルサスに近い構造なので、長期的に維持しやすい。
アイテムとして価値
もちろんハイドロやエアサスは動きや演出力で別格ですが、マークⅡバンに「ストリート感」や「リアルな当時の空気」を求めるなら、ダウンサスはむしろベストチョイスと言えます。

デイトンのホイール&タイヤ
ワイヤーホイール × ホワイトリボン
ローライダー王道スタイル
- デイトンのワイヤーホイールはローライダー文化の代名詞的存在。
- そこにホワイトリボンタイヤを合わせれば、まさに「本場アメリカンローライダー」を思わせるクラシカルなスタイルに。
足元から漂う高級感と華やかさ
- メッキの輝きが車体全体を格上げし、停めているだけでもオーラが出る。
- ホワイトリボンは上品でレトロな雰囲気をプラスし、「洒落た余裕感」を演出。
マークⅡバンのボディラインとの相性
- ロングボディのマークⅡバンに、細かいスポークのワイヤーホイールは抜群に似合う。
- シャコタンスタイルと合わせることで、迫力と優雅さが共存する独特のシルエットを生み出す。
アイテムとしての価値
デイトンワイヤーホイール+ホワイトリボンは「ローライダー文化の象徴」であり、マークⅡバンを一気に“本場仕様”へと昇華させるアイテムです。

外装カスタム
クリアテール
当時カスタムの王道感
- 90年代のワゴン・ミニバン・セダンカスタムではクリアテールは定番中の定番。
- マークⅡバンに装着すれば、一瞬で「ストリート仕様」や「ショーカー仕様」感が出る。
ボディカラーとのコントラスト
- メタリック系やダークカラーのボディには、クリアなテールがシャープなアクセントに。
- ホワイトやパール系のボディなら統一感が出て、スムースでクリーンな雰囲気に。
現代的・スタイリッシュな印象
- 純正の赤いテールに比べて、透明感があり軽快で洗練された印象を与える。
- マークⅡバンの直線的なリアビューを、より都会的に見せてくれる。
アイテムとしての価値
クリアテールは「スタイリッシュさ」を手に入れられるパーツ。
マークⅡバンに装着すれば、ローライダー的にもストリートカスタム的にも映えるアイテムです。

MOONEYESのグリル
強烈なブランドアイコン
- MOONEYESはアメリカ西海岸のカーカルチャーを象徴するブランド。
- フロントに「ムーン」の目玉マークがあるだけで、“ローライダー/ホットロッド系カルチャー直結”の個性を主張できる。
フロントフェイスのイメージチェンジ
- ノーマルのマークⅡバンのグリルはシンプルで無難。
- ムーンアイズのグリルを入れると、一気に遊び心とカスタム感が爆発。
当時カスタムの雰囲気を再現
- 80〜90年代のストリートやイベントシーンでは、ステッカーやムーンアイズパーツは定番アイテム。
- グリルにムーンアイズを組み込むと、当時のアメリカンローライダー文化を体現できる。
アイテムとしての価値
マークⅡバン × ムーンアイズグリルは、「遊び心・カルチャー性」を一気に引き上げるフロントカスタムです。
オックスバイザー
実用性の高さ
- 雨天時でも換気可能
雨が降っていても窓を少し開けられるので、車内の蒸れやタバコの煙を逃がせる。 - 直射日光の軽減
夏場は窓から入る日差しをやわらげ、エアコン効率もアップ。
スタイルアップ効果
- ローライダー感
80〜90年代のカスタムカー文化では定番のアイテム。マークⅡバンに装着することで「雰囲気」を再現できる。 - ワイド感・重厚感
バイザーを付けると横方向に広がりが出て、ワゴン特有のロングボディがさらに迫力あるシルエットになる。
快適性の向上
- 風切り音の低減
高速走行時の風の流れを整える効果もあり、快適なドライブに。 - 日常使いでの便利さ
スーパーや街乗りでも、少し窓を開けっぱなしにできるので車内温度の上昇を抑えられる。
アイテムとしての価値
特にマークⅡバンのようなクラシックなステーションワゴンに装着すると「ローライダー感」「ファミリーカーの枠を超えたカスタム感」が一気にアップします。

フェンダートリム
ボディラインを引き立てる
- フェンダーの縁をメッキで縁取ることで、ロングボディのラインがより際立つ。
- マークⅡバン特有の直線的なボディデザインに、シャープなアクセントを追加できる。
高級感と存在感のアップ
- メッキの輝きが加わることで、クラシカルで重厚な雰囲気に。
- ローライダーやアメリカンスタイルのカスタムでは定番で、「当時のVIP感」や「ラグジュアリー感」を演出できる。
ホイールとの相性が抜群
- デイトンのワイヤーホイールやホワイトリボンタイヤとの組み合わせで一層映える。
- ホイールサイズを強調して、足元に迫力をプラス。
アイテムとしての価値
フェンダートリムは「実用性+ドレスアップ」を兼ね備えたパーツ。
特にメッキパーツを増やしていくローライダーカスタムでは、欠かせないアイテムと言えます。

オプティマバッテリー
大容量で安定した電力供給
オーディオや追加照明、エアサス・ハイドロなど電装カスタムが多いローライダー仕様でも電圧降下しにくく、安定した電力を供給できます。
ディープサイクル性能
- 繰り返しの充電・放電に強く、長期間の使用や頻繁な電装品使用に耐えられるのが魅力。
- ショーカーやイベント展示など、長時間アイドリングなしで電装を使う場面に最適。
メンテナンスフリー
- 密閉型で液漏れの心配がなく、横置きや斜め搭載も可能。
- 古い車両でも扱いやすく、維持管理が楽。
アイテムとしての価値
マークIIバンのローライダーカスタムにおいて、オプティマのイエロートップは 「電装品を安心して使える+エンジンルームのドレスアップ効果」 を両立できるアイテム。
特にオーディオやハイドロをガンガン使うスタイルには必須レベルのバッテリーです。

インテリア
MOONEYESのステアリング
圧倒的な存在感と個性
- 真っ白なステアリングは車内でひと際目立ち、インテリア全体の雰囲気を一気に変える。
- レトロかつカスタム感が強く、「普通の旧車」から「ショーカー」へ格上げできる。
カルフォルニアスタイルの象徴
- ムーンアイズはアメリカ西海岸のカーカルチャーを象徴するブランド。
- ホワイトステアリングは、ローライダー・ホットロッド・クルージングスタイルの定番アイテム。
- マークⅡバンを西海岸テイストに近づけるキーアイテム。
内装の雰囲気を明るくする
- 当時のマークⅡバンの内装は黒・グレー・ブラウン系が多め。
- ホワイトステアリングを入れると、ダークトーンの内装に強烈なコントラストが生まれ、室内がパッと明るくなる。
アイテムとしての価値
ムーンアイズのホワイトステアリングは「インテリアの主役になるカスタムパーツ」。
マークⅡバンに装着すれば、ローライダー感・アメリカンテイスト・当時の遊び心をすべて取り込めます。

ウインクミラー
視界の広がり
- 純正ルームミラーよりもワイドで、死角を大幅に減らせる。
- 長いボディのマークⅡバンでも、後方確認がしやすくなる。
当時カスタムの象徴
- 80〜90年代のローライダー、ワゴン、セダン系カスタムで大流行したアイテム。
- ウインクミラーを付けるだけで、「ストリート感」や「ローライダー文化」を一気に演出できる。
インテリアのドレスアップ効果
- 車内の天井近くにワイドなミラーが広がることで、カスタムしている感が強調される。
- 白ハンドルやシートカバーなどと合わせると「ショーカー的な室内」に進化。
アイテムとしての価値
ウインクミラーは「実用性」と「カーカルチャーの象徴性」を兼ねたアイテム。
マークⅡバンに装着することで、ストリート感・ローライダー感を一気に高められます。

KICKERのサブウーハー
圧倒的な重低音
- KICKERはアメリカンカー文化やローライダーシーンでも定番ブランド。
- サブウーハーを積むことで、低音の迫力が桁違いになり、ヒップホップやR&B、ローライダーサウンドと相性抜群。
- 車内で「ライブハウス」や「クラブ」のような体感重低音を楽しめる。
ワゴンの広いラゲッジスペースを活用
- マークⅡバンはトランクではなく荷室が広いため、サブウーハーを大容量で設置可能。
- BOXタイプやビルトインで積んでも余裕があり、「見せるオーディオカスタム」ができる。
当時カスタムとの親和性
- 90年代のカスタムシーンでは「低音=ステータス」。
- ウインクミラー、ホワイトハンドル、フェンダートリムと組み合わせることで、「走り」+「音」両面で当時のローライダースタイルを再現できる。
アイテムとしての価値
KICKERのサブウーハーは「音響+ビジュアル+文化性」を兼ね備えた必須アイテム。
マークⅡバンに積めば、「見せるオーディオ」と「体感する重低音」で、当時のローライダーシーンを忠実に再現できます。

ミッドスピーカーとツイーター
音質の飛躍的な向上
- ミッドスピーカー+ツイーターのセパレート構成にすることで、低音〜中高音までクリアに再生。
- フロントドアから音が広がるので、ライブ感あるステレオ空間を構築できる。
- サブウーハーと組み合わせれば、フルレンジで迫力あるサウンドシステムに。
オーダーメイドならではのデザイン性
- 純正では物足りない内張りに、アクリル、レザー、イルミネーションを取り入れてドレスアップ可能。
- オーディオショップでのワンオフ加工なら、世界に一台だけの内装デザインを実現。
- 外装だけでなく、インテリアも“ショーカー”として魅せられる。
当時のローライダー文化との親和性
- 90年代のローライダーやワゴンカスタムは「オーディオ勝負」が定番。
- ドアパネルのスピーカー埋め込みは、“当時のカーカルチャーを象徴する仕様”。
- クルージング時にドアを開けて音を響かせれば、雰囲気は一気に西海岸スタイル。
アイテムとしての価値
ドアパネルへミッド+ツイーターをオーダーインストールする魅力は「音質アップ × デザイン性 」の揃ったカスタム。当時、カスタムショップでオーダーしました。
日本ならではのローライダーシーン
この他にも、インパネを白に塗装したり、パイオニアの上位モデルのオーディオを入れたり、ここで全てのカスタムを取り上げることができません。アメリカ本場では「クルマをアートにする」文化が根付いていますが、日本では「日常使いできるスタイル」としてのローライダーが発展しました。
マークⅡバンは、比較的入手しやすい価格帯であり、維持費も国産車ゆえに抑えやすい。そのため、私みたいに若い世代がローライダー入門車として選ぶケースも多く、結果として国産ローライダー文化の一翼を担ってきました。
まとめ
私が大学時代、「進め!電波少年」の影響で海外で放浪する友達も多くいました。そんな中、私は海外旅行せずにアルバイトで稼いだお金をひたらすらマークⅡバンのカスタムにつぎ込んでいました。社会人になって比較的早くに結婚したため、自分の経験を高めるような海外旅行をすることができませんでしたが、家庭を持つ今となってはできない車のカスタムを楽しめたことは今となっては良い思い出です。
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